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2020年05月28日更新

腸活にもおすすめ!?「飲む点滴」甘酒の効果と飲み方

最近では、栄養価が高いことから「飲む点滴」と改めて注目され、腸活や美容マニアの間で少し前からブームになっていますよね。でも、甘酒のこと、知っているようで知らないことが多いと思います。今回は、そんな「甘酒」の基本的なことから、甘酒の効果、飲み方についてご紹介します。

みみこ

「発酵レビュー」編集部のみみこです。突然ですが、皆さんは甘酒好きですか?私は大好きです!「甘酒」というと、お正月の神社で配っている温かい飲み物のイメージが強いですよね。順番待ちして芯まで冷えた体に、あったかい甘酒、沁みますよね~!!そんな冬の風物詩でもあった甘酒、実は夏の季語だということをご存じですか?ますます不思議な甘酒、知れば知るほど奥深い飲み物なんです!

「飲む点滴」と言われる甘酒

古くから日本人に愛されてきた甘酒

甘酒の歴史は古く、奈良時代の「日本書記」に登場したのが最初とされています。米から作られた日本の伝統的な発酵飲料のひとつで、古くから庶民に親しまれていたようです。甘酒が盛んに飲まれるようになったのは、江戸時代からと言われています。
栄養価の高い甘酒は、当時も夏バテ対策や滋養強壮の飲み物として「夏」に飲まれるようになりました。また、米麹で作る甘酒は、蒸し米と麹を混ぜて保温しながら一晩かけて発酵させて作られたので「一夜酒(ひとよざけ)」とも呼ばれています。お酒を仕込む冬に向け、酒蔵は夏に手が空きがちでした。そんな酒蔵では、副業として甘酒を手掛けていたとも。このことも、もしかしたら甘酒が「夏」の季語になった所以かもしれませんね。

なぜ甘酒は「飲む点滴」と呼ばれているの?

米麹で作る甘酒が特に「飲む点滴」と呼ばれています。まずは、甘酒に含まれる菌についてご紹介します。甘酒を作るために使用する麹には、「麹菌」という菌が存在しています。麹菌は、食べ物の消化活動や体内の代謝をサポートするために欠かせない栄養素である、酵素を生み出します。この酵素が甘酒を作る際にブドウ糖、ビタミンB群やミネラル、アミノ酸等を作り出してくれるのです。この成分は病院で使用されている点滴に使われる成分であることから、甘酒は「飲む点滴」と言われるようになりました。私も風邪をひいたときや胃腸炎になったときにお世話になった点滴。甘酒はそれと同じ成分で作られていると聞くと、響だけで「なんだか体によさそう!」と思えてきます。

甘酒にも種類があるのを知ってた?

甘酒は、大きく分けると「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類に分かれます。大きな違いは使用する材料。甘酒を作る際に使うのが「米麹」か「酒粕」か、で分かれます。原材料が異なるので風味や成分も異なるのが特徴です。

米麹甘酒

米麹甘酒は、お米と麹で作られるのが基本です。麹と聞くとお味噌やお醤油、塩麹を思い浮かべる人が多いのでは?その麹と同じものが甘酒に使われているなんて、ちょっと驚きですよね。基本的な作り方はお米と米麹を混ぜて撹拌し、保温しながら一晩寝かせて発酵することで出来上がります。一般的にはお砂糖を使わずに、自然の甘みを楽しむのが「米麹甘酒」です。麹でできているのでアルコール成分を含んでいません。

みかみ

麹って、生の麹と乾燥しているのが売ってるよね。あれってどちらが甘酒に向いてるの?

みみこ

味だけでいうと、どちらが向いているということはあんまりないかもしれないなぁ。ただ、菌の力は生麹のほうが強いみたい。その分、保存期間が短めなので、買ったらすぐに調理したほうがいいかもね。乾燥麹は冷蔵庫でおよそ3か月は保存がきくから、少しずつ使いたい人や作り置きをしたい人は乾燥麹を使うといいみたいだよ!

酒粕甘酒

一方「酒粕甘酒」は、酒蔵で日本酒をつくる製造工程の中で生まれた酒粕を使います。
日本酒は、酒母・蒸し米・麹・水を仕込んで発酵した「醪(もろみ)」を搾り、日本酒と酒粕に分けることで出来上がります。そんな酒粕は、お米や麹などの栄養素がたくさん詰まった福産物と言えますね。酒粕甘酒はこの酒粕に水とお砂糖を加えて作ります。そのため、飲みすぎには注意が必要です。
お祭りや初詣で一般的に配られているのがこのタイプだそうです。日本酒を作るときにできる酒粕を使っているので、アルコール成分を少し含みます。

みかみ

実は、お味噌を作るときに甘酒もいろいろ作ってみたの。銘酒の酒粕から作ると、それぞれの個性が出て面白いよ!日本酒好きのみみこちゃんなら、なおさらおすすめ!笑

みみこ

へーそうなんだ!ちょっと気になる!私は麹メインでしか作ってなかったから、今度やってみよう!日本酒とセットで麹を買って飲み比べてみるのも楽しそう!

みかみ

誰もがおいしい!と思う日本酒の酒粕は間違いないおいしさだよー。個性の強い日本酒だと、甘酒もクセが強いのができるから、そこだけ注意したほうがいいかも。
ちなみに一度、八海山の酒粕で作ったらおいしかった!ぜひ試してみて!

みみこ

なるほどー、みかみちゃん、ありがとう!ますます興味がわいてきたよ(^^♪

2種類の甘酒。実際の効果は?

使っている原材料が違えば、それぞれで得られる効果も違うので、どちらが良いか?というのは難しいですよね。好きな飲み心地や味、取り入れたい効果で選ぶのが一番だと思います。「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」それぞれの効果について少し深堀りしてみましょう。

米麹甘酒の効果

甘酒ブームの火付け役!腸活にもおすすめの飲む点滴「米麹甘酒」

米麹甘酒には、300を超える酵素が豊富に含まれているほか、ビタミン類やミネラルもバランスよく含まれています。特筆すべきは、アミラーゼなどの酵素。この酵素が一定の温度で発酵することで、お米に含まれるデンプンに働きかけブドウ糖を作り出します。このブドウ糖は、病院で使用される点滴にも成分として入っていることから、甘酒は「飲む点滴」として一躍ブームになりました。消化作用も高く、無理なく体に取り込めます。

また、腸内環境を整える食物繊維・オリゴ糖を含みます。オリゴ糖はビフィズス菌などの善玉菌の働きを活性化させ、体の免疫機能などを高めてくれます。米麹甘酒に含まれている食物繊維は、不溶性・水溶性のどちらも含まれており、腸内の善玉菌の働きをサポートし、腸内環境を改善する効果があるといわれています。

さらに、ビタミンB群が豊富に含まれています。このビタミンB群は髪の毛や皮膚を保護してくれたり、エネルギー代謝や脂質代謝を助ける働きを持っています。このことから、美容や健康にもよいといわれています。

ほかにも、妊婦さんがとるとよいとされる葉酸も多く含まれているのが米麹甘酒のポイント。アルコールも入っていないので妊娠中でも気にせずに飲めますね。

直接体を作る栄養素ではないけれども、私たちが元気に動くためには欠かせないビタミンB群をはじめ、様々な成分を多く含む米麹甘酒は、ぜひ日常に取り入れたいですよね。

酒粕甘酒の効果

美と健康へつながる「酒粕甘酒」

酒粕甘酒は酒粕の発酵作用によって生成された酵素や、良質なたんぱく質の原料となるアミノ酸も多く含んでいます。良質なたんぱく質は美肌に欠かせない成分のため、美容に酒粕甘酒が注目されています。

そのたんぱく質の中でも、酒粕甘酒に多く含まれているのがレジスタントプロテインという成分です。このレジスタントプロテインは消化されにくく、酒粕に含まれる食物繊維と合わせて、血中コレステロールの低下が期待できるといわれています。

さらに、抗うつ作用が期待でき、別名「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの原料となるトリプトファンというアミノ酸が含まれていることが分かっています。

また、米麹甘酒にも含まれるビタミンB群も含まれており、髪の毛や皮膚の保護、エネルギー代謝を助ける成分が含まれています。
それぞれの甘酒に異なる成分が含まれているのが分かると、さらに甘酒の面白さが膨らみますね。

甘酒が美容マニアに注目されている訳

前述したように、甘酒には主に以下の成分が含まれています。
・炭水化物
・食物繊維
・アミノ酸
・ミネラル
・ビタミンB群
葉酸

米麹甘酒、酒粕甘酒それぞれに特徴的な成分があります。それぞれ美容と健康に良い成分がたっぷり入っていることが分かりましたね!

また、最近の研究結果ではフェルラ酸・パラクマル酸という成分が多く含まれていることが確認されています。
フェルラ酸・パラクマル酸は、米や小麦などの穀類をはじめ植物に含まれる成分です。フェルラ酸は、紫外線吸収作用が強く皮膚の光老化を抑制し、メラニンを作り出す酵素のひとつであるチロシナーゼの活性を阻害することから、日焼け止めや美白スキンケア材として化粧品分野でも利用されているそうです。

また、米麹甘酒にはエルゴチオネインという成分が含まれています。エルゴチオネインは抗酸化作用があり、肌の老化を防ぐ効果があるそう。

美容に詳しい女性はだから早くから甘酒に注目していたんですね!私はおいしさや健康メインで甘酒を飲んでいたので、ここまでの効果があるとは…。ますます甘酒愛が高まります!

甘酒はダイエットにもいいってホント?

米麹甘酒には、ビタミンB群の脂肪分解サポート効果があること、酵素がたくさん含まれていることはご紹介しました。そのうちの酵素のひとつであるリパーゼは脂肪を分解する働きがあると言われています。またブドウ糖が血糖値を上げるので、満腹感をもたらし、食べ過ぎを防ぐと言われています。

また、酒粕甘酒には、注目のレジスタントプロテインが入っています。レジスタントプロテインや食物繊維は、肥満の元となる油分の脂質や脂肪も腸内の老廃物とともに体外へと排出してくれるため、ダイエットにも効果的と言われています。

酒粕甘酒は砂糖で甘みを足すとお話ししましたが、そもそも砂糖を入れないで作ればその分糖質を抑えることができるので、飲みやすいかどうかは別として、ダイエット効果が期待できるかもしれませんね。甘さが足りなければ、バナナやベリーなどを入れれば、フルーツの自然な甘さを楽しむことができると思います。

砂糖を入れない場合のカロリーは米麹甘酒も酒粕甘酒もほとんど変わらないので、取り入れたい効果のある甘酒を取り入れてみるといいと思います。

甘酒を始める人にもおすすめな飲み方

甘酒はどんな時に飲むのがよい?と気になっている人も多いはず。私はよく、朝ご飯に取り入れたり、眠れないときにちょこっとだけ飲んで空腹を収めたりするのに使っています。美容と健康におすすめの甘酒の飲み方についてご紹介します。

温かくても冷たくてもおいしい甘酒

甘酒は、温めてから飲むのが一般的。ですが冷やして飲む甘酒も甘さがすっきりして飲みやすいんです。そんな甘酒を飲むときのちょっとしたポイントをご紹介します。

<温めて飲む場合>

甘酒は暖めすぎてしまうとせっかく体に良い酵素が消えてしまうので、温めすぎには注意しましょう。大体55~60度で飲むのがおすすめです。

<冷たくして飲む場合>

夏場の暑い時期は冷やして飲むのもおすすめ。冷蔵庫に入れて冷やした甘酒をそのまま飲んでみてください。温めて飲むときとはまた違うすっきりとした甘みに驚くと思います。私は氷を入れると冷たすぎるので、冷蔵庫から取り出してコップ1杯飲むようにしています。

どのくらい飲めばいいの?飲むのに効果的な時間は?

<どのくらい飲めばいいの?>

するする飲めちゃう甘酒、おいしくてつい飲みすぎてしまったりしていませんか?甘酒は美容や健康に良いとご紹介してきましたが、糖度が高いため飲みすぎには要注意。1杯あたり、60~120ml前後が適量とされています。だいたい小さめの湯飲み1杯くらいをイメージしてもらうと良いかもしれません。1日200mlを限度に取り入れてみましょう。

<飲むのに効果的な時間は?>

せっかく飲むのであれば、効果を最大限に活かせる時間帯に取り入れたいですよね。甘酒を飲むのに最適な時間帯は「朝」。朝ごはんと一緒に取り入れることで、甘酒に多く含まれるオリゴ糖が脳をすっきりと目覚めさせてくれます。ダイエット中であれば、朝ごはんを甘酒におきかえてもいいかもしれません。また、日中に取り入れるなら、仕事で疲れた時に飲むとこれも等の働きで脳をすっきりさせてくれ仕事に集中できると思います。夜は、寝る前などを避けて取り入れてみてください。(ここだけの話ですが、私は夜、どしてもお腹が空いて眠れないとき、スプーン2杯くらいをお湯に溶かして飲んでいます笑。ほんの少しだけ…と自分に言い訳してますが。)

おすすめの飲み方

おすすめの飲み方は色々あるのですが、ここでは実際に試してみて簡単で、しかも美味しかった飲み方をごいくつか紹介します。

<冷たい甘酒+チアシード>

冷たい甘酒に、前日に水でふやかしておいたチアシードを適量入れるだけ。簡単にできるアレンジです。これ1杯でおなかが膨れるので、朝ごはんの置き換えにおすすめです。チアシードはスーパーフードの代表格!チアシードには血圧や血糖値をコントールする効果をはじめ、食物繊維が豊富なので、腸内環境を改善する効果があります。私は米麹甘酒に混ぜたのですが、甘酒のとろみとチアシードのプルプル感がぴったりでリピートしています。

<温かい甘酒+生姜>

小さめのお茶碗1杯程度の甘酒を温めて、すりおろした生姜を適量入れます。飲み口がさっぱりするので甘酒の甘みを抑えたいときや体を温めたいときに飲んでみては。少し喉が痛いときや、疲れた時に飲んでいます。甘さ控えめの甘酒であればはちみつを加えるのもおいしいのでおすすめです。

<バナナジュース+甘酒>

バナナジュースを作るとき、はちみつを足したりしませんか?その甘みを甘酒で代用するイメージです。ヨーグルト(または牛乳)150mlにバナナ1本の半分、甘酒大さじ1をミキサーまたはブレンダーにかけるだけ。これも朝ごはんの置き換えやおやつにおすすめですよ。きな粉をすこしかけてもおいしいと思います。

どれもおすすめなので、ぜひやってみてくださいね!

甘酒は妊娠中にも飲める?

妊娠中はアルコールをはじめ、摂取してはいけないと言われるものが多く、口に入れるものがお腹の赤ちゃんに影響がないか敏感になりますよね。そんな妊娠中の方は「米麹甘酒」がおすすめです。お米と麹からできているのでアルコール成分は全く含まれてない上に、胎児の成長に欠かせない成分である葉酸を多く含んでいますので積極的に食事にとりいれてみてはいかがでしょうか。ただし、前述のとおり、糖分が高いので妊娠中~後期の食欲が出たころに飲みすぎるてしまわないように、量に気を付けて楽しんでください(^^)/

また、酒粕甘酒は日本酒を作るときの副産物である酒粕を使用しています。微量のアルコールが含まれている可能性があるので、甘酒を選ぶときに成分表示を良く読んで購入してくださいね。

甘酒は腸活にも美容にもおすすめな万能飲料!

今回は、甘酒の種類とその効果を中心にご紹介しましたが、いかがでしたか?甘酒は腸内環境を整えたり、代謝をサポートするなど、腸活や美容、健康でいるためにもぴったりの「万能飲料」だと思います。種類を選べば子供から年配の方まで幅広く楽しめるので、日ごろの食事に甘酒をぜひ、取り入れてみてくださいね。

甘酒の手作りレシピをご紹介!

材料2つ!炊飯器でカンタン!米麹甘酒の作り方

お米と米麹があれば、とっても簡単に甘酒が作れるんですよ!今回は、手作り米麹甘酒の作り方とコツをレビューしていきます。米麹甘酒は難しい手間なし!一度作り方を覚えてしまえば、いつでも自家製甘酒がつくれます。ぜひ一度試してみてくださいね!

この記事を書いた人

みみこ

「発酵レビュー」編集部

mimiko

「お菓子作り」と「腸活」という、真逆の趣味を持つ、7歳の息子のママです。自分がいいなと思ったものが、みんなの「いい!」に繋がったら、こんなにうれしいことはない!と思いながら、日々記事を書いています。わかりやすさと気軽さを心掛けながら、発酵食品や腸活の楽しさを皆さんとシェアできたらと思います!