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2020年08月13日更新

ヨーグルトメーカーで味噌作り。作り方や味、保存期間をレビュー!

お味噌といえば、手間をかけてじっくり仕込む様子がイメージしますが、なんとヨーグルトメーカーを使うと簡単にしかも翌日には出来てしまうのです!今回はそんなヨーグルトメーカーを使った味噌作りをレポートしていきたいと思います。使うヨーグルトメーカーは「ヨーグルティアS」という日本製の調理機器。既に持っているよ!という方や、これから味噌を仕込んでみたい方は、作り方もご紹介していますので、ぜひご覧になってみてくださいね。

みかみ

発酵レビューのみかみです!
みなさんはお味噌を自宅で仕込んだことがありますか?自宅で仕込むには、作った後数ヶ月は熟成期間を設けなければならず、その間は温度管理にも気をつけなければなりません。
手間をかけてじっくり熟成させたお味噌を食べるのはもちろん素敵ですが、お味噌が切れそうになった時などは、すぐにお味噌を使いたいですよね。
そんな時にも応用できる、お味噌の仕込み方法があるんです。今回はその方法をレビューしていきます!

なんと!ヨーグルトメーカーで味噌が作れる!

ヨーグルトメーカーとは、自宅でも手軽で簡単にヨーグルトを作ることができる調理器具。
一定の温度で保温できるので、機種によっては、ヨーグルトだけでなくお味噌も作ることができちゃいます。

通常お味噌は仕込んでから3~6ヶ月ほど熟成期間を設ける必要がありますが、ヨーグルトメーカーで作るお味噌は、なんと8時間ほどで出来てしまうのです。
すぐに食べたい!という場合には重宝してくれるので、とっても便利な方法なのです。

タニカのヨーグルトメーカー「ヨーグルティアS」で白味噌づくりにチャレンジ!

今回使用したのが、こちらのヨーグルトメーカー。タニカ電器の「ヨーグルティアS」です。ヨーグルティアSは、味噌はもちろん、納豆や温泉卵、醤油麹や塩麹、天然酵母まで作れるので、味噌作り以外にも活用することができます。ちなみにこのヨーグルティアSを作った会社は、日本で初めてヨーグルトメーカーを製造し、45年も経つ現在も作り続けている老舗メーカーなのです。付属品は、全部で5つ。本体とフタ、容器が2つとスプーン1つが付いています。難しい操作はないので、ヨーグルトメーカー初心者の方でも安心して使うことが出来ます。

ヨーグルトメーカーで作る簡単手作り味噌の実践レシピ

材料は通常の味噌作りと同様

では早速ヨーグルトメーカーでお味噌を仕込む準備をしていきます!
ヨーグルトメーカーを使った手作りお味噌は、最後の発酵の工程以外は手作りお味噌と一緒です。材料も全く同じものを使います。手作りお味噌ほど一度に何キロも仕込むことは出来ませんが、熟成期間を長く設けなくとも作れてしまうところが、最大の特徴と言ってもよいでしょう。
まずは材料についてご紹介していきます。

材料

・乾燥米麹 250g
・塩 30g
・乾燥大豆 100g(茹でると重量は2.5倍ほどになります)
・大豆の茹で汁 200ml

乾燥した大豆を茹でたものと、茹で汁。

麹250g。五味醤油さんの米麹を活用しました。

塩30g。天日塩がおすすめです。

乾燥大豆は水に浸して茹でることで、重量が2.5倍になります
麹は大豆の水煮の2倍の量を用意してください。大豆の茹で汁は、大豆を茹でた時に取っておきます。
塩は天日塩がおすすめです。海水のみを使っているので、無添加お味噌が作れます。

最初の下準備は大豆を茹でるところから

茹でる前に、変色したもの、虫食いの大豆を選別してから大豆を洗う

まずは大豆の選別から。穴が空いていたり、変色している大豆は洗う前に取り除いてしまいます。無農薬のものや、自家栽培した大豆を使う場合は、虫が混入しないようにしっかりやっておくべきでしょう。

今回使う大豆は、農家さんより分けていただいた大豆だったので、しっかり選別をしてから水で洗っていきました。
水が濁らなくなるまでしっかり洗います

変色した大豆。この他黒っぽくなったり、紫色になっているものもあります

虫食いのあった大豆。豆に穴が空いています

水が濁らなくなるまでしっかり洗っていきます

大豆を1~2日水につけておく

水洗いした大豆を、1~2日ほどたっぷりの水につけておきます。お水の量は、大豆の10倍あればOKです。
大豆を吸水させることで、茹でる時に柔らかくなりやすくなります。大豆は吸水してやがて膨らんでくるので、容器の半分ほどにとどめて水を入れるのがおすすめです。

たっぷりの水にいれたばかりの大豆。粒がしわしわしています。

2日ほど水につけておいた大豆。豆が膨らんでぷりぷりしてきました。

水につけた大豆を軽く茹でてアクをとる

大豆をしっかり吸水させたら、まずはアクを取り除く作業から。鍋に大豆とたっぷりのお水を入れて沸騰させると、白い泡がたくさん浮いてきます。これが大豆のアクです。大豆によっては、雲のようにモクモクと沢山アクが出る場合があります。
この後大豆を圧力鍋にかけて茹でていくのですが、ここでアク抜きをせず圧力鍋にかけてしまうと、吹きこぼれてしまう可能性があります。
丁寧にすくってアクを取っていきましょう。

茹でているときの大豆の様子。白い泡が大豆のアクです。これをすくってアク抜きをしていきます。

アクを取ったら大豆を圧力鍋で35分茹でる

アクを取り除いたら、圧力鍋に大豆を入れ、大豆の3~5cm上まで水を入れます
圧力鍋で大豆を茹でる場合、大豆と水を合わせて、鍋の3分の1までしか入れることができません
それ以上入れてしまうと圧力鍋から吹きこぼれてしまうので、容量はしっかり守っていきます。

今回はフィスラーというメーカーの圧力鍋を使って大豆を茹でていきました。
圧力がかかるまでは強火にし、圧力がかかったら弱火にして35分ほど圧力をかけ続けていきます
加圧後は、自然に圧力が抜けるのを待ってからフタを開けるようにします。

圧力鍋に大豆と水を入れます。入れられるのは鍋の1/3までです。

次に、蒸し器(別売り)を落し蓋の代わりとして上に乗せます。大豆の皮が圧力鍋の通気口を塞いでしまうのを防いでくれます。

フィスラーの圧力鍋の場合、フタを締めてスライドさせ、カチッと音がなるまで押し込みます。

圧力がかかると、蓋の上の突起が膨らみ、黄色→緑のラインが見えるようになります。この緑のラインが見える状態で、35分ほど緑のラインをキープします。

みかみ

大豆を茹でる時、鍋でやろうとすると、4時間以上は煮続けなければなりません…。4時間もキッチンに立って、吹きこぼれないように見張っておくのもなかなか大変です!圧力鍋を使うと時短で便利ので、自宅に圧力鍋があるという方は積極的に使いましょう!

耳たぶほどの柔らかさ、指で簡単に潰れるくらいになったら準備完了!

さて、炊きあがりはどうでしょうか。大豆を一粒とってつぶしてみたところ、指で簡単に潰れる程度の柔らかさになりました。大体耳たぶほどの柔らかさになるまでしっかり茹でます。大豆の収穫時期や、鍋の容量などによって若干炊きあがりが変わってくるので、もし「まだ少し硬いなー」と感じたら、追加で数分加圧していきましょう。

圧力鍋に付属していた説明書では5分と記載されていますが、お味噌にするにはまだまだ硬い状態。指で押しても硬さがあります。

更に20分圧力をかけたところ、先程よりは柔らかくなりました。指で簡単に崩れるくらいまで圧力をかけていきます。

35分ほど圧力をかけた大豆。指で簡単に潰せるようになりました。

下準備ができたらヨーグルティアSに入れて発酵!

みかみ

大豆の水煮が出来上がったところで、ヨーグルティアSを使って味噌を仕込みます!

まずは容器をしっかり殺菌!

ヨーグルトメーカーを使う時、しっかり殺菌消毒させることはとっても大事です。殺菌消毒は味噌作りに限らず、ヨーグルトメーカーでつくる発酵食品全てに行います。これを怠ってしまうと、容器に付着した雑菌が繁殖し、うまく出来なかったり、異臭がしたりしてしまいます。せっかく美味しくつくるのですから、下準備もしっかり行っていきましょう!

電子レンジでの殺菌消毒

味噌が触れる、ヨーグルティアSの内容器と付属のヨーグルトスプーン、内ふたの3点を電子レンジで消毒していきます。
まず、容器に1~2mm程度の水を入れて、その中にヨーグルトスプーンを立てて入れます。その上に内ふたをのせて、電子レンジで500~600Wで約1分半ほど加熱していきます。

熱湯での殺菌消毒

熱湯を使った消毒方法です。
内容器が隠れるほどの深さまで鍋に水を入れ、熱湯を準備しておきます。
その中に、内容器、ヨーグルトスプーン、内ふたを入れて浸します。
フタが変形してしまうこともあるので、容器を入れたら加熱はせず火を止めます。
まんべんなく容器に熱湯をかけたら取り出して容器を乾燥させます。

麹と塩をしっかりまぜる

麹と塩をボウルに入れ、すり合わせるようにしっかり混ぜます。この作業、実は結構大切なので、最初から大豆に麹と塩を入れないように。理由は、麹と塩を混ぜておかないと、混ぜムラができてしまって、うまく発酵してくれません。大豆と混ぜる前に、予め麹と塩を混ぜ合わせておくことがポイントです。

塩と米麹を混ぜます。この工程を飛ばしてしまうと混ぜムラができやすくなるので、大豆と混ぜる前に混ぜておきましょう

冷ました茹で大豆を潰し、大豆と麹と塩を混ぜる

茹でたての大豆はあっつあつなので、(やけどに注意!)一旦熱をさましてから大豆を潰します。潰す時は、ジップロックなどのチャック付きポリ袋に大豆を入れて封をし、外側からぐいぐいと押すと楽に潰すことができます。
大豆のゴロゴロ感がなくなるまで、しっかり潰していきます。
大豆を潰し終えたら、先程混ぜた塩と米麹を入れて混ぜます。ムラなくしっかり混ぜ合わせることで、発酵ムラのないお味噌ができます。

大豆をジップロックなどチャック付きの袋に入れます。

袋の上から手で潰していきます。

潰し終えた大豆の様子。しっかりムラなく潰しました。

麹と塩をまぜたところに、先程潰した大豆を投入!

ムラなくしっかり混ぜ合わせ、表面を平らにならします。

みかみ

材料を混ぜている時に硬いなーと思ったら、少量ずつ大豆の茹で汁を入れ混ぜて様子をみます。なので、全て混ぜ入れなくてもOKです。大豆の茹で汁は余ったらお味噌汁の出汁としても使えるので便利ですよ!

ヨーグルティアに入れて60度で加熱

材料を混ぜたら容器に内蓋をして、プラスチック容器をヨーグルティアSの本体の中に入れます。
温度を60度に設定し、タイマーを8時間にセットして発酵させていきます。これで8時間後にはお味噌が完成します!

コンセントを差し込むと起動するので、温度を60度、時間を8時間にセットしておきます

出来上がったら、フタを開けてかき混ぜて完成!

ヨーグルティアで作ったお味噌のお味はいかに!?

8時間後、白い味噌が完成!
フタを開けると、ふわりと麹の香りがしていい感じになりました。

試しに味見をしてみると、しょっぱさもなくさっぱりとしたお味噌になっていました。
お味噌汁として食べるには、塩分が足りないので、煮付けなど料理の味付けに使うと丁度よさそうです。

ヨーグルトメーカーで作ったお味噌と、通常の手順で作るお味噌との違い

8時間後にはお味噌が完成する!

通常お味噌は仕込んでから3~6ヶ月ほど熟成期間を設ける必要がありますが、ヨーグルトメーカーで作るお味噌は8時間ほどで出来上がります。すぐに食べたい!という場合には重宝してくれるので、とっても便利ですね

ヨーグルトメーカーで作った味噌は、長期保存ができない

ヨーグルティアSで作ったお味噌は、琺瑯などの容器に移し替えて、冷蔵庫で保管します。

スピーディーにお味噌ができちゃうヨーグルトメーカーですが、反対にデメリットも。麹菌は、繁殖が弱まるのが60度以上、80度になると麹菌が死滅します。そのため、ヨーグルトメーカーで作ったお味噌を熟成させようとねかせておいても、なかなか発酵してくれません。
今回のようにヨーグルトメーカーで作ったお味噌は、麹菌の繁殖も弱く熟成が進みにくくなっているため、発酵よりも腐敗のほうが先に進んでしまう可能性があります。
冷蔵庫で1ヶ月内には食べきってしまった方が良いでしょう。

どうしても熟成させたお味噌が作りたい!という方は、ぜひ本物の味噌作りにチャレンジしてみましょう!
発酵レビューでも、かんたん味噌作りの記事があるので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。

自宅で簡単にできる!手作りお味噌の作り方とコツをレビュー

実はとっても楽しく手間いらず!今回は手作りお味噌の作り方とコツをレビューしていきます。味噌作りは下準備が大切。コツを押さえるだけで、自家製お味噌がつくれます。ぜひご自宅でおいしいお味噌を仕込んでみてくださいね。

まとめ

お味噌の仕込みが大変だなーという時には、ヨーグルトメーカーを使うのも手ですね。熟成期間が大幅に短縮できると、お味噌の管理もしなくて済むので、これまでお味噌づくりに興味を持っている方にもチャレンジしやすい方法だと思いました。
ヨーグルトメーカーが自宅にある!という方は、ぜひこの記事を参考に試してみてください!

また、ヨーグルトメーカーが家に無いよという方は、ヨーグルト以外のものも作れてしまうので、これを機に購入を検討してみるのもよいと思います!

発酵レビューでは、ヨーグルトメーカーを使わないお味噌も作って紹介しています。
どちらが良い!というものでもないので、好みやライフスタイルにあった方法でチャレンジしてみてくださいね。

自宅で簡単にできる!手作りお味噌の作り方とコツをレビュー

実はとっても楽しく手間いらず!今回は手作りお味噌の作り方とコツをレビューしていきます。味噌作りは下準備が大切。コツを押さえるだけで、自家製お味噌がつくれます。ぜひご自宅でおいしいお味噌を仕込んでみてくださいね。

この記事を書いた人

みかみ

「発酵レビュー」編集部

mikami

肉!脂大好き!な夫の健康管理が気が気でならないフリーランス兼業の主婦。農業を営む実家で生まれ、現在都内近郊在住。味噌や納豆を手作りしていた祖母の影響で自給自足に興味をもち、これまでに作った発酵食品は味噌、塩麹、甘酒、などなど。読んでくださる方と一緒にやってみる感覚でお伝えしていきます。