2020年06月10日更新
お味噌の種類と選び方とは?手作りお味噌やお味噌選びの参考に!
日本が誇る歴史ある発酵食品の味噌。普段の料理にも欠かせない調味料です。そんなお味噌には、種類やの味の違いがあることをご存知でしたか?今回は、そんなお味噌の種類と、味の選び方についてご紹介していきたいと思います!好みのお味噌の味選びに迷っている方や、お味噌を仕込んでみたいけど、どういう材料を選べばよいか迷っている方など、お味噌選びの参考として頂けたら幸いです!
目次
みかみ
発酵レビューのみかみです!今日はお味噌の種類とお味噌選びについてご紹介します。お味噌の材料は3つだけでできており、大豆にお塩と麹を混ぜて作られています。蒸す、もしくは茹でた大豆と麹を混ぜ、発酵熟成させることで、風味豊かなお味噌が誕生します。まずはお味噌の分類を見ていきながら、選び方をご紹介していきたいと思います!
お味噌の特徴は、「味」「色」「原料」によって構成されている
お味噌の特徴は、「味」「色」「原料」によって構成されています。甘口辛口の味の違いや見た目による色の違い、使われる原料の違いによって、味噌の特徴が決まります。お味噌を選ぶ前に、まずはそれぞれの違いを理解し、目的や好みに応じたお味噌を選べるようにしましょう。早速ご紹介していきます。
1.麹の量によって変化する「味」
お味噌は甘味噌・甘口味噌・辛口味噌と、甘さとしょっぱさの加減によって分けられています。このお味噌の味を左右するのは、大豆に対する麹の比率「麹歩合」です。麹の割合が高いほど、味は甘口になります。
例えば、麹と大豆の量が同じ割合の場合、麹歩合は10割となり、10割麹味噌と呼ばれます。また、大豆に対して麹が1.5倍使われているお味噌は、15割麹味噌ということになります。
みかみ
甘みが強いお味噌が好みの方は、麹の割合が高いお味噌を、塩味が強い辛口のお味噌が好みの方は、その逆を選ぶと良さそうですね。「○割麹味噌」という表示は、麹の割合を示していることがわかったので、こちらも味を選ぶ目安になりそうです!
2.発酵の度合いや麹の割合等によって変化する「色」
スーパーなどで陳列されているお味噌の棚を見ると、赤みが強いものから、黄色っぽい色味のものまで様々ですよね。お味噌の色は、出来上がりによって赤系味噌、淡色系味噌、白味噌に分けられています。このお味噌の色を左右するのは、発酵熟成中に発生する「メイラード反応」というものが関係しています。このメイラード反応は、大豆などのアミノ酸が糖と反応して茶色く変化するもので、メイラード反応が起こったお味噌ほど茶色を帯び色が濃くなっていきます。また、大豆を茹でるのか、蒸すのかの違いによっても色は異なります。
みかみ
お味噌は購入後も発酵は進むので、少しずつ色味も変化していきます。保存環境によっても発酵の進行度合いは変わります!
白味噌
白い・黄色みが強い色のお味噌は、甘くてさっぱりとした味わいが特徴です。代表的なお味噌に、西京味噌や信州みそがあります。赤味噌に比べると熟成期間は短く、短期熟成で作られています。麹を多く使用しているため、麹の糖分によって甘みが強く、塩分濃度は抑えめです。お味噌を作る工程で、乾燥大豆を水に浸して豆に吸水させてから大豆を蒸す・もしくは茹でますが、白味噌の場合は浸水時間が短く、蒸さずに煮ることによってメイラード反応の原因となる糖などの水溶性成分が取り除かれています。こういった作る工程の違いも、赤みが抑えられているの理由の一つです。
みかみ
さっぱりな味を活かして柚子などを混ぜたり、後でお醤油を混ぜて味を整えたりと、料理でも使い勝手がよさそうです。
赤味噌
白味噌と比べると熟成期間が長く、鮮度を保つために塩分濃度も高い赤味噌は、コクや辛みが強いお味噌です。代表的な赤味噌は、仙台味噌や八丁味噌があります。大豆の浸水時間を長くし、長時間高温で蒸すことで大豆などのタンパク質が熱変し、酵素による分解が進みやすくなっているため、色が濃くなる傾向があります。
みかみ
コクがあって味のアクセントもあるので、料理でも活用できそうですね。私は中華でお味噌を使う時には、コクを出すために甘口味噌よりも辛口味噌を使っています。
3.「原料」の違いによるお味噌の分類
お味噌は原料の麹によってもそれぞれ味が違います。ちなみに麹とは、お味噌はもちろん醤油やお酒などの発酵食品を作る上では重要な役割を果たすもので、穀物に麹菌を培養し、繁殖させたものを指します。基本的にお味噌は3種類の麹と、それらを調合したお味噌に分けられており、それぞれ特徴があります。熟成させる期間や、製造工程によっても味が変わってきますが、大まかな傾向をおさえておくとお味噌選びに役立ちます。麹菌によるお味噌の違いをみていきましょう。
米麹から作られる米味噌
米麹によってつくられた味噌が米味噌です。国内で製造されているお味噌の8割が米味噌と言われているため、普段飲んでいるお味噌汁が米味噌という方も多いのではなでしょうか。米みそはお米の甘みが特徴で、癖も少なく食べやすいお味噌です。
みかみ
食べやすくて種類も豊富にあるので、味選びに迷ったらまずは米味噌を選んでみてもよいですね。
麦麹から作られる麦味噌
麦麹によってつくられた味噌が麦味噌です。麦を使っていることもあり、香ばしい風味が特徴です。米みそに比べて塩分はおさえめ。麹の比率が高いので甘みが強くなっています。
麦味噌には大麦β-グルカンという大麦由来の水溶性食物繊維が豊富に含まれており、体内での糖質の吸収をおさえ、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。また、腸内環境を整え、便を柔らかくしてくれる効果も期待されているので、美容や健康を気遣う方におすすめしたい発酵食品のひとつです。
みかみ
血糖値が気になる時や、腸活で美容や免疫力アップをはかりたい時には麦味噌をとりいれてみたいですね!
豆麹から作られる豆味噌
豆麹から作られた味噌が豆味噌です。味が濃いのが特徴で、八丁味噌も豆味噌になります。味わい深さを引き出すペプチドがたくさん含まれているので、煮込み料理に使うとコクが出るので、うどんやおでんに使うのもおすすめです。豆味噌には、大豆に含まれる豊富な栄養がたっぷりつまっています。ポリフェノールの一種であるイソフラボンや植物性タンパク質が豊富に含まれているため、コレステロールの増加をおさえて新陳代謝を促すほか、女性の美容と健康にも効果が期待されています。
みかみ
米みそや麦味噌は加熱することで甘みや香りが飛びやすいですが、豆味噌は煮込むほど旨味やコクが強くなる特徴があるので、煮込むほど美味しくなりますよ。
パッケージの成分表示から見る、好みの味のお味噌の選び方
お味噌の特徴をおさえたところで、早速お味噌を選んでいきましょう。好みのお味噌を、パッケージから判断するポイントを3つご紹介していきます。
お味噌の色
まずは大きくお味噌の色から。スーパーなどで陳列されているお味を見ると、透明な容器に入っている場合がほとんどですよね。このお味噌の色から、赤味噌か白味噌かをおおまかに判断していきましょう。
原材料名の欄で麹の割合の目安を確認しよう
パッケージの裏を見ると、原材料名が書かれています。この原材料名の欄は、配合の多いものから順番に記載されており、麹が含まれる割合が高いお味噌は、大豆の前に「米」や「麦」が表記されています。画像を参考にみていくと、大豆より前に「米」の表記がされているのが確認できます。お味噌は麹の割合が大きいほど甘みが強いので、このお味噌は甘みが強いお味噌という判断ができます。
みかみ
「米」や「麦」の表示が大豆より前にあるのか、後ろにあるのかをチェックしてみるとよさそうですね。
食塩相当量と内容量から、塩分の割合を確認しよう
麹の割合と同様に、塩の量もお味噌の味を決めています。辛口のお味噌は比較的塩分が多く12%前後と言われています。塩分が多いことで熟成期間が長くなり、その間の鮮度を保つ役割や、塩分によってまろやかになり、塩慣れした熟成味噌となります。甘口味噌は辛口より少なめの9~11%、白味噌は5~7%となっています。パッケージの裏に、「食塩相当量」と、「内容量」という表示があるので、お味噌の容量から塩分の割合を計算するとよいでしょう。
この画像のパッケージを例に見ていくと、内容量が650g、食塩相当量が100gあたり11.7gですので、650gの量から計算すると約70gの食塩が含まれています。70g÷650g=約10%程度の割合で塩分が含まれていることが分かったので、このお味噌は甘口味噌であるということが言えます。
みかみ
味からお味噌を選ぶのではなく、健康の面から塩分控えめのお味噌を選びたい時にも活用できそうですね!
お味噌選びや手作り味噌の参考に。味別お味噌のまとめ
みかみ
ここまでいろいろご紹介しましたが、そこまで読んでられない!という方にむけて、大きく甘口、辛口お味噌のポイントをまとめてみました。自分好みのお味噌選びはもちろん、気になる手作り味噌のレシピがあれば、味をイメージする時の参考としてもご活用くださいね。
甘口味噌の確認ポイント
辛口味噌の確認ポイント
みかみ
お味噌はいきものですので、作る工程や原料によってもそれぞれ個性があります。大まかな傾向になりますので、あくまで目安としてご参照くださいね。
まとめ:好きな味で毎日の味噌ライフを楽しくしよう!
みかみ
いかがでしたでしょうか。今回はお味噌の種類と選び方についてご紹介していきました。お味噌は製造元によっても個性がありますが、お味噌の特徴をおさえることで、自分にピッタリのお味噌と出会えるチャンスが高くなります。また、お味噌を仕込む上でも、自分好みのお味噌づくりにも役立ちます。ぜひ活用してみてくださいね!それでは、楽しい発酵ライフを!
おまけ:今回パッケージ例で使用したお味噌はこちら
プラス糀 無添加糀美人 650g×3個 味噌 みそ マルコメ 魚沼醸造 価格:1,300円 |
紹介したお味噌は、ここ数年私が自宅で食べている甘くてさっぱりとした白味噌です。無添加なので安心感もあり、お味噌汁から料理まで幅広く使っています。スーパーでも販売されていますので、購入しやすい点も使い勝手がよくおすすめです。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
この記事を書いた人
「発酵レビュー」編集部
mikami