2020年05月29日更新
自宅で簡単にできる!手作りお味噌の作り方とコツをレビュー
実はとっても楽しく手間いらず!今回は手作りお味噌の作り方とコツをレビューしていきます。味噌作りは下準備が大切。コツを押さえるだけで、自家製お味噌がつくれます。ぜひご自宅でおいしいお味噌を仕込んでみてくださいね。
目次
- 1 お味噌を手作りするメリット
- 2 味噌作りの前に注意すべき大切なこと
- 2-1 味噌を仕込む数日前から納豆は食べないでおこう
- 3 用意する材料と道具は?
- 3-1 まずは材料の用意を。使う材料は5つ!
- 3-2 準備する道具はこれだけ
- 3-3 今回使用したお味噌用の容器はこちら
- 4 失敗しないお味噌作りのためのポイント
- 4-1 仕込み前日
- 4-2 仕込み当日
- 5 早速お味噌をつくってみよう!手作りお味噌の手順
- 5-1 1.塩と麹をまぜる
- 5-2 2.大豆を潰す
- 5-3 3.塩と麹を大豆と混ぜる
- 5-4 4.味噌団子を作って樽に投げつける
- 5-5 5.平らにして塩を表面に振りかける
- 5-6 6.重しは自宅にあるものを活用しよう
- 6 味噌作りに最も適した時期は?
- 7 保存に最適な場所は?
- 8 食べごろの時期は?いつ完成する??
- 9 味噌にカビが発生してしまったら?
- 10 お味噌作りのまとめ
- 11 今回使用した道具はこちら
みかみ
「発酵レビュー」編集部のミカミです。今回私は自宅でお味噌作りにチャレンジしてみました。お味噌作りって、発酵の温度管理が大変そうなイメージがあったり、限られたスペースの家で仕込めるのかなど、不安に思うことがあるのでは無いでしょうか。でも大丈夫!混ぜて寝かせておくだけでしっかり美味しいお味噌は作れます。下準備のコツをおさえて、自家製お味噌づくりにチャレンジしてみましょう!
みかみ
もしどんな味のお味噌をつくろうか迷われている方は、下記の記事も参考になさってみてください。
お味噌の種類の紹介と、選び方をご紹介しています。
お味噌を手作りするメリット
お子様の食育に
みかみ
自分が普段食べているものが、どの様にして作られているのか、どのような食材が使われているのかなど、お子様の食育としても活用することができます。子どもと一緒に仕込みを行ったり、発酵が進む様子を観察したり、最後にはお味噌汁として頂いたりと、楽しみながら学べるところも良いですね。
自分好みにつくることができる
みかみ
市販品のパッケージの裏に書かれている原材料を見ると、添加物が含まれているものがあります。お味噌を手作りすることで、自分の体と健康にあった素材を選ぶこともできますし、自分好みの味を作ることができますよ。
味噌作りの前に注意すべき大切なこと
味噌を仕込む数日前から納豆は食べないでおこう
味噌作りの前には、絶対に納豆を食べないようにしましょう!納豆菌はとっても強力で、前日に食べてしまっていても、味噌を仕込んでいる間に人の口から出た納豆菌がついてしまいます。納豆パックなどのゴミも要注意です。
味噌作りの最中に納豆菌が入ってしまうと、発酵の過程でねばねばと糸をひいてしまい、風味も損なって納豆臭くなってしまうので、仕込む数日前から納豆を開けない、食べないようにしましょう。
2ヶ月ほど経過した味噌がネバネバしていた様子
用意する材料と道具は?
まずは材料の用意を。使う材料は5つ!
みかみ
今回私は米麹と麦麹の2種類の麹を使ったお味噌を作りました。麦味噌の風味が苦手な方にもおすすめの、香ばしさもありながら、甘さのバランスもとれたお味噌です。
大豆と麹の比率は1:1。塩の量は麹の半分の量を使います。分量は、おおよそ3kgのお味噌の量となります。もしもっと少なめに作りたい方や、もっと大量に作りたい方は、比率を目安にご自宅でも調節してみてくださいね。
みかみ
大豆の煮汁は、大豆を潰す時に固さを調節するために使います。大体大豆の量の5分の1ほど用意できれば大丈夫です。残ってもお味噌汁に入れてお出汁として使うこともできるので、多めにとっておいても問題ありません。
準備する道具はこれだけ
ボウルは混ぜる工程で使うので、大きめがおすすめです。2~3つほど用意しておくと便利でしょう。大きめのボウルがなければ、鍋などを活用してみてください。ラップはお味噌を仕込み終えた時に使います。上記の道具の他に、大豆を潰す道具としてフードプロセッサーやマッシャーなどがあっても良いです。
みかみ
今回は素手で味噌作りに挑戦してみました。麹菌と手の常在菌をあわせて、お味噌を発酵させるためです。衛生面で不安な方は、ぜひビニール手袋を使ってみてくださいね。
今回使用したお味噌用の容器はこちら
【日本製】つけもの容器5型(押しフタ付)漬物容器5L(リットル)::02P03Dec41 価格:496円 |
今回は漬物用のプラスチック樽をつかいました。プラスチックの他にも琺瑯や木樽などありますが、ご自宅でお味噌を仕込むのであれば、プラスチックで十分です。お味噌を容器に詰めるとき、空気が触れないよう、丸めた味噌だんごを容器内に投げつけていくため、なるべく深めの容器が重宝します。使う前に熱湯消毒をし、乾かしてから更にアルコール消毒しておくとよいでしょう。容器によっては、熱湯NGの場合もあるので、耐熱温度を確認するとより安心して使うことが出来ます。
失敗しないお味噌作りのためのポイント
仕込み前日
大豆をよく洗って表面の汚れを落とそう
普段のお野菜の扱いと同様に、大豆もお水をつかって表面のよごれを洗い流します。大豆は見た目はきれいに見えても汚れていることがあります。手でしっかり大豆同士をこするように洗ってあげましょう。水の濁りがなくなるまでが洗う目安です。
みかみ
農薬・化学肥料不使用の大豆を使う場合などは、大豆が変色していたり、虫食い大豆が混じっている場合があります。一度豆の選別をしてから洗いましょう!
大豆は一晩、もしくは2日ほど水にひたしてたっぷり吸水させる
大豆の芯までお水を吸わることが、おいしいお味噌作りの肝となります。しっかりお水に浸けておくと、大豆の芯まで水が入っていきます。この状態で煮ることで、大豆の硬さにムラがなくなり、炊きあがりも柔らかくなります。潰すときにも硬いと大変ですので、たっぷりお水を吸わせてあげましょう。お水の量は、使用する豆の量の、4〜5倍がよいとされています。大きめの容器を使って、1日~2日ほど浸けておきましょう。
みかみ
大豆は吸水するにつれてどんどん大きくなっていきます。もし容器にたくさん大豆を入れてつけ置きすると、容器から豆がはみ出してしまいます。つけ置きする大豆の量は、容器にたくさん入れないようにすることがおすすめです。
仕込み当日
水を吸水させた大豆をたっぷりのお湯で茹でる
大豆を大鍋で茹でていきます。ここでも大豆は水分を沢山吸収するので、たっぷり鍋にお水を入れて茹でます。大豆のゆで時間は、圧力鍋だと沸騰してから20分ほど。普通の鍋で茹でる場合は4時間ほどゆでます。
みかみ
鍋で大豆を茹でていると、白い泡がモクモクと出る場合があります。この泡はサポニンというものでアクの一種です。大豆に含まれる成分で害はないのですが、雲のようにたくさんでてくるので取り除いてしまいましょう。
大豆の煮上がりの目安は?
大豆を潰したときに、簡単に潰れる程度で、耳たぶくらいのやわらかさになったら日をとめましょう。ここで大豆が硬いと潰す時にムラがでやすくなります。試しに、1時間置きに大豆の硬さを確認してみました。最初は指で潰れなかった豆が、しっかりゆでることで指で潰れるほど柔らかくなっています。
みかみ
私は大豆の煮上がりを確認するため、鍋で4時間ほど茹でました。火元をみておかないと、吹きこぼれることもありますし、4時間も煮続けるのはとっても苦労しました。圧力鍋がある方は積極的につかってください。
麹菌のために、茹でた大豆の熱をさまそう
茹でたばかりの大豆は、まず熱くて手で潰すことができません。また、麹菌は熱に弱いため、暑いままだと発酵ができなくなってしまうため、一旦熱を冷まします。ここまでで下準備は完了です。
みかみ
お味噌を仕込む前日に茹でて冷ましておいても大丈夫です。茹で終えた大豆を冷ましてから冷蔵庫に入れておき、翌日は材料を混ぜるだけの状態にしておくととってもラクです。お子さんと一緒にお味噌を仕込む場合は、下準備だけしておくとよいでしょう。
早速お味噌をつくってみよう!手作りお味噌の手順
ここまで準備ができたら、あとは混ぜるだけ!混ぜる順番や、容器にいれるまでの流れとコツをみていきましょう。
1.塩と麹をまぜる
お塩と麹を手ですり合わせるように混ぜ合わせていきます。しっかり塩と麹をまぜます。
みかみ
大豆も塩も麹も全部混ぜてしまえば良いのでは…?と思う方も多いと思いますが、この工程を飛ばしてしまうと、麹菌が混ざりきらないことで発酵にムラができてしまいます。あまり手間になる工程でもないので、美味しいお味噌作りのためにも、よくまぜましょう。
2.大豆を潰す
大豆の粒を無くすように潰していきます。手で潰すのが大変な場合は、積極的にマッシャーなど道具を使いましょう。もし混ぜている時に硬すぎる、容器につめにくいと感じる場合は、大豆の煮汁を少しずつ混ぜます。一気に煮汁を混ぜてしまうと、お味噌の固さ調整が効かなくなってしまうため、混ぜながら調整します。おおよそいつも使うお味噌の柔らかさを目安にしてみるのもよいでしょう。
みかみ
大豆を潰す工程で、作り手の個性が現れます。大豆の粗さによって、お味噌汁にしたときに粒が残ったりと食感が変わってきます。わざとちょっとだけ粒感を残してみたり、しっかり潰してみたりと、好みのお味噌にしていきましょう!
3.塩と麹を大豆と混ぜる
最初に混ぜた塩と麹を、潰した大豆と混ぜていきます。麹と塩が均一に混ざるまで、とにかくよく混ぜます。
みかみ
ここでムラが残ってしまうと、うまく発酵しない部分ができてしまいます。混ぜる工程は発酵においてとっても重要です!
4.味噌団子を作って樽に投げつける
麹と大豆が混ざったら、容器に入れていきます。手におさまるほどの味噌団子をつくり、一気に容器の中に投げつけましょう!。
投げたら表面をならす、投げたら表面をならすを繰り返していきます。
みかみ
お味噌は発酵させる間、空気にふれている部分にカビが発生してしまうことがあります。なるべく容器や投げつけた味噌団子に密着させるように、思い切って投げつけましょう!
5.平らにして塩を表面に振りかける
味噌団子を投げつけ終わったら、表面を平らにし、上に塩を撒いていきます。この表面のお塩は、お味噌の表面にカビを発生させないためのものです。さらさらと塩を撒いたあと、ラップを敷いてなるべくお味噌と容器に密着させます。後で重しを上に置くので、すこし浮いていても大丈夫です。
みかみ
お味噌の表面をなるべく空気に触れさせないようにすることがポイントです。空気に触れる部分が大きいと、カビが生える原因となりますので、蓋をする時にしっかりラップを密着させましょう。
6.重しは自宅にあるものを活用しよう
自宅に漬物石のような重しがない!という方にもおすすめなのが、スーパーなどのビニール袋とお水です。水が漏れないように袋を三重に重ね、その中にお水を入れて口を縛ると重しになります!これなら手軽で簡単にできますね。お味噌の表面に均一に重みが重ねられるのも便利なポイントです。重しを置いたら、あとは美味しく熟成されていくのを待ちましょう!
重しの重さは、全体の重さの25%前後くらいがおすすめです。重すぎたり軽すぎたりするとトラブルの原因に繋がりやすくなるので、適量の水を使って重しをしていきましょう。
味噌作りに最も適した時期は?
味噌の仕込みは、だいたい12月~3月頃がおすすめです。寒い時期に仕込むことで、雑菌の繁殖も少なく、味噌も最初はゆっくりと醗酵し、夏の暑い時期に一気に発酵を進めてくれます。こうすることで、気温が落ち着いた秋の時期においしいお味噌ができあがります。また、大豆の旬が2月頃なので、旬のものを仕込むという点も食育につながります。
みかみ
お味噌を仕込む日に合わせて、麹を購入するのがおすすめです。麹菌も温かいと発酵が進むため、購入したら早めに仕込むか、冷蔵庫で当日まで一旦保存しておくのもよいでしょう。
保存に最適な場所は?
お味噌は発酵食品なので、直射日光は避け、常温で置いておきます。ほとんどのお家が、床下収納がなかったり、味噌蔵のように温度を一定に保つスペースがない場合が多いため、キッチンのシンク下や、家の中で比較的暗くて涼しい場所で問題ないと思います。
みかみ
私は自宅のスペースが限られているため、廊下の隅に置いて様子を見ています。あまり室温が高くなってしまう場合は、置き場所の変更も検討してみようかと思っています。
食べごろの時期は?いつ完成する??
発酵が進むとお味噌の色が茶色になり、お味噌の香りもでてきます。だいたい半年ほど置いておくと出来上がってきます。お味噌は生きものなので、置けば置くほど熟成されていきます。半年経過後、味を見ながら好みの状態まで熟成させ、ちょうどいいなと感じたところで冷蔵保管するのもよいでしょう。冷蔵保管すると、お味噌の発酵が緩やかになります。
みかみ
発酵の進み具合が気になって、ついお味噌を仕込んだ容器を開け閉めしたくなりますが、ここはぐっと我慢!あまり開ける回数が多いと空気に触れる機会も増えてしまいます。まずは半年ほど置いて様子をみましょう。
味噌にカビが発生してしまったら?
ポツポツと表面に青白いカビが発生した様子
味噌は何ヶ月も発酵させて作るので、カビが発生してしまうことがほとんどです。
表面にだけ青白いカビが発生しているようであれば、その部分だけ取り除いてしまえば大丈夫です。取り除くときは、消毒した清潔なスプーンを使ってください。
カビを取り除いたら引き続きお味噌を熟成させていきます。
みかみ
私も味噌を仕込んで2~3ヶ月ほど経過した時に、樽の縁に青白いカビが発生していました。
カビの下は問題なさそうだったので、カビを取った後は重しをして冷暗所にて保管しています。
もしカビが下の方まで発生している、匂いがカビ臭い場合は、お味噌自体が駄目になってしまっています。そうなったら、残念ですが諦めて、また翌年に新しいお味噌を仕込みましょう。
カビを防ぐコツ1.お味噌の表面は空気に触れないようにしよう
お味噌に発生するカビは耐塩性があり、しかも空気が好きな性質をもっているため、空気に触れているところからカビが発生してしまいます。仕込んだお味噌の表面にカビが発生するのは、もしかしたら空気に触れているからかもしれません。
ラップや重しでしっかりと密閉して、カビの発生を防ぎましょう。
カビを防ぐコツ2.重しをしっかりしよう
重しをしっかりすると、お味噌の表面が空気に触れなくなると同時に、味噌の水分がしっかり上のほうに上がりやすくなり、お味噌全体に行き渡らせることができます。
重しが軽すぎたり、重すぎると、発酵と熟成を均一に進めることができず、ムラができてしまいます。
適切な重しの重さは、お味噌の種類や材料によって異なりますが、この米麹と麦麹をつかったお味噌ですと、おおよそ全体の重さの25%ほどがよいでしょう。しっかり重しをしていきましょう!
こちらは重しが重すぎた味噌の様子。表面に水が溜まっています
参考までに、重しが重すぎて水が溜まってしまったお味噌の様子をご紹介します。
写真のお味噌は、2ヶ月ほど経過したものです。味噌の上に透明に近い水がひたひたに溜まっています。このような状態になったら、重しを少し軽くしてあげましょう。
上がった水分は旨味成分でもあるので、出過ぎてしまうとお味噌が美味しくなくなってしまいます。一度上がった水分がお味噌に戻るまで時間を置き、改めて軽くした重しをしていきます。表面に茶色い液体がうっすら溜まっている状態がベストな状態です。
カビを防ぐコツ3.熟成中は頻繁に開け閉めしない
お味噌は半年以上熟成させていくため、どうしても中の様子は気になってしまいますよね。
でもそこはぐっと我慢!様子を見るたびに重しを外すことで、お味噌が空気に触れる機会が多くなってしまい、かえってカビが発生してしまいます。様子を見るなら、一ヶ月~二ヶ月に一度を目安にしてみましょう。
みかみ
カビを防ぐコツをおさえておくことで、お味噌にカビが発生しにくく、発生しても容器のふちの部分だけで済む可能性が高いです。対処すれば美味しいお味噌ができるので、諦めずにトライしてみましょう!
お味噌作りのまとめ
いかがでしたでしょうか。お味噌作りは下準備とコツさえおさえておけば子どもから大人まで誰でも簡単にできてしまいます。
また、気になるカビの発生も対処方法がしっかりありますし、ちょっとカビが発生したくらいであれば取り除くことで問題なく食べられます。まずは失敗を恐れずチャレンジしてみましょう。お味噌は育てていくものですので、ぜひご自宅で美味しいお味噌を育てて下さいね。
今回使用した道具はこちら
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この記事を書いた人
「発酵レビュー」編集部
mikami